2014年08月19日

軍師官兵衛。第34感想妄想「九州出陣」

物語としては、すでに「峠をこえた」感じがプンプン臭います。
私のような戦国好きでも、本能寺の変以降は、戦国時代の「後半劇」として感じてしまう。

軍師官兵衛のドラマ構成においては、前半での快走が後半への助走になるのですが、
前半でコケタために、後半の走りだしが失敗しているように思います。

軍師官兵衛の感想を見てみると、前半のような酷い演技や脚本が少なくなっているように思います。
やっぱり「江口信長&内田濃姫」が癌であった事が証明されているようになっています。
分析では、織田信長の役どころが難しかったのでしょう。

相変わらず生放送も録画も見ていないので妄想感想になります。







戦国大名ではない黒田家

秀吉を天下人としてさせた黒田官兵衛。
本来なら、その部下として「大大名」の「給与」を与えるのが筋ですが、この九州征伐における黒田家の石高は低かった記憶があります。

今でいうなら、零細企業から上場企業に10年でなった会社の有能な功労の社員が、年収700万円のままの年俸で、
新たに3000億円の事業部主任に任されたようなもの。
権限と世間の相場感からすれば、単なる平社員のままのようなものです。
例として、NHKの社員であるからと言って、50代の人が年収1000万円の人から見れば、「?」となるでしょう。

その意味では、九州征伐における黒田家は、戦国史観から言っても、幹部であるけど、その待遇は、
戦国大名としての価値が薄く、豊臣政権における「歪んだ実力主義」が蔓延している事例として見れる。

その代表例が黒田官兵衛である。
だからこそ、戦国時代の後半部分になってもなお、他の戦国武将と比較して「ひいき人気」になる理由があります

いわゆる「サリーマンの悲哀」が、黒田官兵衛の九州征伐における現代で言う「社畜ぶり」が見る人の共鳴があり、
日本人的な悲しい勤勉さが見て取れます。
成功者が成功すると、一気に「そうなんだ感」があるのですが、黒田官兵衛においては、関ヶ原まで、まだまだ「現役」である
理由と悲哀が続きます。









軍師なのに意外な人気の官兵衛

陰謀詭計なイメージがある軍師。
自己中であり、自分さえ良ければ他人が不幸になっても良い。
そんな「ブラックイメージ」があります。
今で言えば、ワタミの渡辺美樹さんや、すき家の小川賢太郎さんが代表例としてイメージされます。

それなのに、なぜか人気の軍師官兵衛。
豊臣秀吉には嫌われているのに、田舎大名には、意外と好感をもたれている。
その不思議さがあるのが九州征伐。

毛利家の賢者としての小早川家にも、九州の大名であり大友家にも、信頼度が高いのが黒田官兵衛の魅力である。
他者の評価ですから、ねつ造しようがありませんので、他の戦国大名が社交辞令的な側面から人気であったり、
大名としての「権威」として、とりあえず付き合い程度での信頼であった中で、黒田官兵衛の「実力としての人気度」は、
ある意味ではアイドル並であり、官衛衛の面白さになっている。

本来なら、こうした人気を勘違いし、「俺も意外と人気ものなんだなぁ」と鼻持ちならなくなるのですが、
なぜか、こうした人気にも官兵衛の「俺!秀吉から嫌われているかも」という日影感がプンプンしていて、
当時の戦国大名から見ても、意外と笑える好感度が高かったように思われます。








朝日新聞的な左翼脚本との狭間

安倍自民党政権が、NHKにとって長期政権となると、首根っこを抑えられているNHKとしては、
これからの九州征伐以降における「朝鮮出兵」まで、それなりの「内部闘争」があるでしょう。

これはいわゆる朝日新聞的な「ねつ造左翼」が、NHK内部にも相当あり、本来なら今年の2014年の大河ドラマは
「島津家」であったのですが、島津家であれば、朝鮮出兵における韓国人を多く殺した「大罪人」であるが故に、
韓国からの「差別放送」へ配慮した結果、今回の軍師官兵衛に決定しました。

在日中国人や在日韓国人が多くいる九州。
その意味では、政治的な側面が強く、なるべくなら「臭いものには蓋論」がメインとなるのですが、
どの程度、右翼的な脚本へと変更になるのか見ものです。

NHKの保守的な保身から見れば、30回を過ぎ、残り20回しかないので、うまく誤魔化す方法を取るように思いますが、
安倍政権の長期化による「ごますり右翼脚本」も、NHKの内部保身策としては、とっても重要であり、
どんな感じで朝鮮出兵が展開されていくのか見ものです。







岡田准一は成功した

永遠のゼロを借りて、また「右翼脳」になりましたが、岡田准一さんは、なんとか大河ドラマの主人公としての
「責任と結果」を残したように思います。

前半20回までは「ダメだ」と思ったのですが、後半からこうした「ダメ感」が無くなり、それなりの評価と「あきられ感」が
出てきて、誰も「すごい!すごい!」と言わなくも、それが普通化しているようになり、それが成功の証になっている。

こうした評価は、やっぱり前川洋一脚本家へと向けられたのが主な要因であり、大河ドラマ江における
脚本家の田渕久美子さんと類似します。

主人公の岡田准一は共犯者ではなく、あくまでも「被害者」であり、見ている人は勘違いして加害者だと思っていたけど、悪いのはすべて脚本家の前川であるという「犯人論」が、メインとなっているからです。

その意味では、前川洋一さんはつらい立場なんですが、江口信長がいなくなり、竹中秀吉の欠点がない以上、
犯人捜しとしてのターゲットが、前川さんに行くのは仕方が無いでしょう。

Posted by 黒田官兵衛考高 at 06:19 │8月