2014年05月20日

軍師官兵衛。第21回感想妄想「松寿丸の命」

緊迫したシーンであった。
猛獣の人食い虎のように恐れる織田家家臣。
その中でも出世著しい羽柴秀吉でさえ、織田信長の言葉一つで恐れる。

こうした中、合理主義者の信長からの命令に対し、松寿丸の命を裏切りものとして殺すように言う。
このシーンにおける信長の姿が、大きな誤解を生む。

コミュニケーション不足であり、絶対主義者である信長。
「自分が世の中で一番正しい事をしている」
という天下布武の理念・理想に邁進する様子が、「鬼の信長」と映るのは仕方がないが、ココの部分の演出が
眼力やオーラーなどで展開できれば理想だ。



信長のキビキビした無駄のない行動。
言葉少ないせっかちな言い回し。
こうした点の演出がメインになれば、信長の「真の良さ」を上手く伝えるようになれると思う。

信長の「キン高声」は、こうした演出に大きな役割を果たすであろう。
こうした演出があってこそ、今回の松寿丸の命の「軽さ」が上手く演出できると思う。



こうした中、軍師竹中半兵衛が、松寿丸を助ける決断をする。
このシーンは、実は軍師の何たるかを示す一番重要なシーンであり、カミソリのような半兵衛の意外な側面と、
君主や当主ではない、「軍師だからこそできる無責任」シーンとして重要。

つまり、軍師とは側近でありながら「一匹狼的な野心と人情」が入り混じった不思議な存在

という不思議でもあり、本質的もある部分として、非常に重要な軍師像だと思う。

また、今回の特徴としては、
軍師が軍師を理解する
という非常に極めて「例外の状態」があり、その部分が戦国時代における「軍師像」を、深く理解し、また、人間像として軍師を
より正確に理解するに最適なシーンであった。

最終的に、救出される黒田官兵衛。
そして、竹中半兵衛が、自らの判断で松寿丸を助け、それが織田家・羽柴家をも救った事による
遠謀深慮の神髄を見せた部分として、表裏一体化するシーンとして、見る側に大きなインパクトを与えている。

これが後に、
「能ある鷹は常に爪を隠す」という、少し達観した晩年の黒田官兵衛像へとつながるシーンとある。

Posted by 黒田官兵衛考高 at 05:39 │5月